スイス鉄道旅行記 (氷河急行) - 旅行のクチコミサイト フォートラベル
2007年夏 スイス旅行記
前書き
14年と8ヶ月勤めていた会社を辞めた。理由は陰湿な上司のせいである。
今回の旅行も会社の正規の休みの他に3日有休を取らなければならなかったが、それを
あの陰湿な上司であるAに申し出る事に躊躇していた。病院による検査とか嘘を言って
有休を取ろうかと考えていたが、みんなが正直に言ったほうが良いというのでそうすることにした。もし、これで気持ちよく取らせてくれるような上司なら、今後も会社を続けて
行くことは可能だと思い、このときの態度で今後の去就を決める事にしたのである。
結果は最悪であった。激怒し、「そんなもん許可できるか!!!」と怒鳴り、「決意書を出せ!!!その内容によって認めるか認めないか決める」と来た。これにより心が決まり翌日「もう辞めてもいいです」と一言行った所、全く慰留はなく即効で8/31退職が決定し、7/31までは会社へ、それ以降8/31までは有休消化で全休しても良いということになり、なんの気兼ねも無く旅行に行けることになった。
ちなみにスイスへは、この会社に入社した14年前の7月に一人でツアーに参加したことがある。
2007/8/8(水)関空11:00(AY-078)15:15ヘルシンキ16:30(AY-863)18:15チューリヒ
今回の旅行は阪神航空フレンドツアーの「添乗員がご案内する爽やかスイス・アルプスの名峰を巡る列車の旅 10日間」というものである。移動はほぼ鉄道を使うという、異色の私にとっては理想的なツアーであるのに、参加人数わずか6名である。こうなるとツアーメイトがどういう人かが重要になってくるが、あとの4名のうちの2人はルフトハンザ
使用なので、先にホテルに入る。残りの我々と同じ行程の2人は京都で小さな西陣織の工場を経営しているAさんという、田舎者のような年配の夫婦である。LHで来た夫婦は上品な感じの神戸のKさんという。今回の大変楽な添乗員は野坂さんという年齢不詳の女性であるが、スイスのことにはベテランのようである。
今回のフライトは初めてフィンエアを使う。それも往路は母の希望で初めてビジネスクラスで行くことになっている。イミグレーション(出国カウンター)は今までに見た事がないほど混雑していた。しかし出発までは「飛鳥倶楽部」というラウンジを使う事ができる。10:40の搭乗時間までゆったりと過ごせた。
いよいよ搭乗。ビジネスクラスはエコノミーとは別の前の方のボーディングブリッジよりゆったり� �乗。着席すると早速ウエルカムドリンクである。シャンパンにしたが量が多すぎて大半を残す。
それにしても、シートはエコノミーとは天と地である。この快適さを一度味わってしまうともうエコノミーなんか乗れない。もっとも復路はビジネスが取れずエコノミーなのだが・・・・。
飛行機はMD−11、日本乗り入れで旅客便としてこの飛行機を使っているのは今やフィンエアだけとなってしまった、古い3発機である。
関空24L(以前よりある、第一滑走路)より離陸してすぐ右旋回する。右側席なので2本目の滑走路が出来たばかりの関空がよく見えた。こちらは着陸専用として使われているので帰ってきたときに初利用する予定である。
やがて食事。
机にテーブルクロスが敷かれてオードブルから一品ずつ持ってくるのはやはりエコノミーとは違う。食器も全て金属製のナイフ、フォーク、スプーンが10本ほど付く。
味はそれほどでもないが、帰りのエコノミーの食事はひどかったのでやはり随分と上等だったのであろう。
映画は見れたのは「武士の1分」のみ。まだ見ていなかったのでちょうどよかったが、他はろくな映画はしていなかった。
フルリクライニングにしたりして快適くつろぐうちに、に眼下は湖ばかりの快晴のヘルシンキ到着。途中揺れもまったく無く、着陸もうまかった。ヘルシンキは日本からだと一番近いヨーロッパなので9時間くらいで着いてしまうので、なんかビジネスは損な感じでも
ある。
それにしてもヘルシンキは良い天気である。インターネットによるとスイスの天気は少なくともあと5日はずっと雨。
ヘルシンキからはブラジル製の飛行機「エンブラエル70」でチューリヒへ。CAのおばさんのうちの一人はどう見ても、60歳以上に見える。
チューリヒは雨。暗澹とした気分になる。バスで着いたホテルはなんと、スイス国鉄の
ナントカという駅の真前で、トラムも走っている。部屋からも列車とトラムが良く見える。もし天気が良ければすぐに撮影にとりかかるところであるが、雨はどんどんひどく窓ガラスに叩きつけるような大雨である。
撮影は断念するしかなかった。
明日も雨か、と絶望のうちに眠りに入る。
2007/8/9(木)ホテル(専用バス)チューリッヒ空港駅(列車)チューリッヒ中央駅(列車)ゲッシュネン(列車)アンデルマット(列車)リアルプ(SL)グレッチ(ポストバス)オーバーワルト(列車)ブリーク(列車)ツェルマット
朝、雨は小降りにはなっているがまだ止んでいない。足取りも重くバスに乗り込む。今
日はまず、空港駅に行って日本にも昔あったチッキを使い、トランクなどの大荷物を今日の最終目的地であるツェルマットまで送ってもらう手続きをする。こういう制度が残っているのはヨーロッパではスイスだけのようだが、旅行中に大荷物を持ち運ぶことが無いので大変便利である。
空港駅で手続きを済ませると、7:43発の待望の列車に乗り込み、まずはチューリッヒ中央駅へと向かう。わずか10分で到着。この駅はヨーロッパ各国から国際列車が発着するスイス最大の駅で、14年前に初めて来た時に大感激したところなのでぜひ再訪したかったので嬉しい。ただ今回は自由時間が15分くらいしかなく、あっという間に時間が経ってしまったが、イタリアからのペンドリーノとドイツのICEは見る事ができた。
� �回のツアーは「スイスパス」を使って多くの列車を乗り継いで移動する、個人旅行のようなツアーである。チューリヒからは8:09発の国鉄ゴッタルド線の快速列車にてゲッシュネン駅まで国鉄で行く。9:50着。ここは有名なゴッタルドトンネルの入口の駅であり、ここから9:52発の急勾配の支線に乗り換えてトンネルの上にある交通の要所、アンデルマットへ。10:03着。アンデルマットからは10:06発の氷河急行路線のフルカオーバーアルプ鉄道(FO)の普通列車に乗り換えてリアルプへ。10:18着。ここで降りて5分ほど歩くと、フルカ山岳鉄道のSL列車の発着する駅がある。
このフルカ山岳鉄道の線路は元々FOの線路だったが、冬季は運休が避けられず、また度々災害で線路が流されるなどし� �ために、そのFO随一の車窓を犠牲にして新フルカトンネルという長大トンネルを掘って廃止された線路を譲り受けて1日に1〜2往復SL列車を走らせている。
フルカ山岳鉄道のフルカ駅に着くとSLが入れ替えをやっていて2両の客車をつなぐと、推進運転でホームに入ってきた。さっそく乗り込む。
エントリーレベルのマーケティングは何ですか
車内で日本人のおじいさんで、ボランティアでこの鉄道の案内をやってる人がいた。日本人はほとんど来ないが最近我々と同じようなグループがときどき来るとのこと。出発日が違う同じツアーと思われる。そうこうしているうちに10:40出発。機関車の後ろのデッキに行くと機関士や機関助士らが投炭作業している。時々火室の炎に顔が照らされて実に絵になる。
ボランティアで運転しているのだが、実に楽しそうだ。
途中、給水のため2カ所ほど止まる。タンク式機関車のため急勾配を登るのに多量に消費する水を少ししか積めないのだ。
絶景の中、どんどん高度を上げてゆき、真っ白な雪山が眼前に聳えるようになる。そして
ずっと曇天だった空に青空が見えだした。しかし、デッキに出ると凍えるほどの寒さである。機関士たちも麓ではTシャツだったのが、今はジャケットを着込んでいる。なんと雪がちらついているではないか!!
やがて前方にサミットであるフルカ駅が見えてきた。SL列車が止まっているが、その横に滑り込んだ。ここで20分の小休止である。さっそく並んで止まっているSLの写真を撮る。すると、すぐに乗ってきた方のSL列車がバックし始めたのであわてた。
列車を追っていくと、引込み線のようなところに入っている。バックには白い山。絵になる。
すると期せずしてSLが発車してこちらに向かってきてまるでフォトランのようになり、最高であった。
20分の停車時間はすぐに終わり、再び列車に乗り 込む。これからはずっと下り坂である。
途中のグレッチェで下車してポストバスでオーバーワルドへ向かうことになっている。オーバーワルドは今乗ってきたフルカ山岳SL鉄道の線路がFOであったころはリアルプからの線路は当然つながっていたのであるが廃止になって線路も剥がされてしまった。しかしながら現在はオーバーワルドまでつなぐ工事が進行中である。
グレッチェは8月とは思えぬ積雪で、大変寒いが私は半袖のまま通している。駅を出て橋を渡ったところがバス乗り場で、すぐにバスはやってきた。このバスもスイスパスで乗れるはずだがわが添乗員はお金を払っているようだ。12:32発。
バスは20分くらいでオーバーワルドに到着し、我々の他の客も全員降りてしまった。バスは無人で発車して行った。
ここで昼食後、14:4� ��発の鈍行列車にてブリークまで乗る。これが正真正銘の鈍行列車でクックの時刻表に載ってない小駅まで実に丹念に止まる。やたらと駅も多く、3〜5分毎に停車しているようだが、驚くべきことにそれらの小駅でだいたい乗降がある。
全ての駅に停車して16:02にようやくブリークに到着した。しかし所要時間は同区間を走る「氷河急行」でも1時間4〜5分かかり、この鈍行列車と10分くらいしか変わらないのである。
連絡よく16:05に隣のホームからツェルマット行き鈍行列車が出発するので乗り換える。17:24ツェルマット鈍曇りのツェルマット到着。凍える寒さであった。さすがの私も上着を着た。駅から徒歩10分のツェルマットホテルへ。空港駅で預けたスーツケースはホテルに届けられた。
2007/8/10(金)ホテル(徒歩)ツェルマット(コルナグラート鉄道)コルナグラート
(コルナグラート鉄道)フィンデルンバッハ(ツェルマット散策)ツェルマット(地価ケーブル)スネガ(ゴンドラ+ロープウェイ)ウンターロートホルン(同一行路下山)ホテル
さあ、今日はいよいよツェルマットからコルナグラートへ登山鉄道で登り、マッターホルンを拝む日である。一番重要な天気であるが、まだ曇っていてマッターホルンは見えない。
しかしところどころ青空が見えているので回復の兆候が見られる。
朝9:00にホテルを出発。相変わらず凍えるような寒さなのでジャケットを着込む。気温は2〜3度くらいか?普段薄着な欧米人もさすがに厚着をしている。ツェルマットの海抜は1620mある。
列車は空いていてすぐに乗れた。すかさず向かって右の席を確保する。だいたい右にずっとマッターホルンが見えるのだ。ツェルマットの街を見下ろしながら列車はグングン高度を上げてゆく。雲の中に入る。周りは雪で白くなっている。
そして森林限界を超すあたりから雲の上に出て、マッターホルンが全貌を現した。
14年前と同じシチュエーションである。ただ、あのときよりも圧倒的に雪が多い。
マッターホルンの頂上には傘雲がかかっている。それにしても格好良い山だ。右手にマッターホルンを眺めながらグングンと高度を上げていき、終点コルナグラートのひとつ手前のローテンボーデン駅まで来た。
一面の雪原の中をタンクトップと半パンで歩いている人がいる。その人は我々がコルナグラートに到着するころにはもう到着していた。登山電車より速い!恐るべき速さである!!
コルナグラート到着。海抜3130mである。
コルナグラート展望台では1時間半ほどの自由時間があった。太陽がサンサンと降りそそぎ、山の下のツェルマットよりずっと暖かい。暑いくらいだ。上着を脱いで半袖になる。気持ちいい。展望� �に上がると眼下にはゴルナー氷河、そしてモンテローザが聳える。振り返ればマッターホルンが聳える。さきほど一瞬頂上の雲が取れて全貌が見えたがまた頂上が雲に隠れてしまった。しかし360度絶景である。
展望台を降りて、「登山電車と山」の写真を撮る。残念ながらマッターホルンの頂上は隠れたままであった。集合時間となり、山を降りる。
本来なら、コルナグラートからローテンボーデン駅までハイキングの予定で、途中でリッフェル湖に映る逆さマッターホルンが有名で、14年前のときは実行したが、今回は雪が
ひどく無理なので、代わりにツェルマットから1つ手前のフィンデルバッハ駅で降りて少し山道を歩き、ツェルマットの街中で解散となった。
まだ14時過ぎでホテルに帰るのには早いので、ホテルの真ん前からスネガという展望所
まで行く地下ケーブルカーが出ているので乗りにいく。乗り場に行くとスネガからさらに
上のウンターロートホルンというところまで、ゴンドラとロープウェイを乗り継いで行けるので行くことにした。
地下ケーブルというのは黒部にもあるが、何にも見えず真っ暗な中をただごうごうと行くだけで面白くない。スネガの展望所も雲が多くて見通しが利かず、それほど良い展望とは思えず、すぐにゴンドラを乗り継ぐ。ちなみにスネガの海抜は2293mで村から3分で
行けるお手軽な展望台として知られている。
ゴンドラを途中のブラウヘルトというところでロープウェイに乗り換える。行く手には雲が待ち構えている。雲に入り、あたりは真っ白で何も見えない。終点のウンターロートホルンに着いた。3100m。すると一瞬雲が切れてマッターホルンの尖った頂上が見えたが次の瞬間は雲に隠れてしまう。
ACSは、リトルフォールズ、ニュージャージー州
展望台は雪が溶けてびしょびしょで、気をつけて歩かねばならないが、山の様子は瞬間瞬間で変わるので足元を見る余裕がない。しかしここまで来て良かったと思う。ここもスイスパスで50%引きとなり、往復3000円くらいなのでせっかくホテルの前から出ているのだから来なければ損だと思った。Aさんを誘ってあげればよかったと母は言った。
山を降りるとすぐホテル。GOODである。
8月11日(土)ツェルマット(列車)ブリーグ(列車)カンデルシューク(チェアリフト)
エッシネン湖(馬車)(チェアリフト)カンデルシューク(列車)シュピーツ(列車)インターラーケン・オスト(列車)ラウターブルンネン(列車)ヴェンゲン
本日は、移動の日である。普通のツアーならバスに乗ってただ移動するだけだが今回のツアーは全て列車を乗り継いで移動し、途中で美しい湖のハイキングもあるという。
それにしても、今日は朝から快晴でホテルの窓からマッターホルンが真っ青な青空の中に
真っ白な頂が美しい!
7:50ホテルを出発、マッターホルンを撮影しながらツェルマット駅に移動する。
ツェルマット駅はコンクリートに覆われたイマイチの駅である。ここでまた荷物を今日の宿泊地であるヴェンゲンまでの託送を手配する。
8:30ツェルマット発。後ろにずっと真っ白なマッターホルンが見え隠れしていたが、やがてまったく見えなくなった。
に出ると、左の山のはるか上に線路が走っていてそれが徐々に降りてくる。この後に乗る国鉄 線である。
ブリーク9:51着 ここで、国鉄に乗り換え10:18発。先ほど見上げていた線路をぐんぐんと登っていく。飛行機のようにどんどん高度を上げていき、景色がどんどん小さくなっていく。もちろん進行方向左側に席を取っていた。ところがここでドヤドヤと外人の団体がやってきて、なんやらかんやら言い出した。どうやらそこは「私たちの席� ��と主張しているようで、見ると窓の上に札が刺さっている。指定席だったのだ。やむ終えず席移動。珍しくどの席も塞がっていて相席の通路側しか空いてなくて、列車はすでに斜面は登り終わり、やまの中を走っている。
カンデルシューク10:52着。ここから歩いてチェアリフト乗り場に向かう。目の前にロートホルンが聳える。言うまでも無く昨日最後に登ったウンターロートホルンとは別の山である。この旅行の最後のほうで行くブリエンツロートホルン鉄道でも「ロートホルン」
とあるので、日本でいう「駒ケ岳」のようなものだろう。
このころになると、ツアーのメンバーはすっかり打ち解けている。添乗員を含めて全部で7人しかいないが、京都のAさんのご主人は本当に活発な人で面白い。いつでもあちこち動き回ってビデオをまわし続けている。チェアリフトに行く途中の道でも一人走り回ってビデオを撮っているためすぐ遅れるのでその度に奥さんに叱られている。奥さんは朴訥とした田舎者風情な人だが、二人の掛け合いはまるで漫才のようであった。
15分ほど歩いてチェアリフト乗り場に着く。チェアリフトは2人づつの椅子が横向きについたリフトで、絶景を肌で感じながら上がって行く。横に連なる岩山からは無数の滝が流れて圧巻だ。今日も天気が良いので大変気持ち良いが、もし� �天なら悲惨である。
15分ほどの空中散歩で頂上駅に着く。ここからエッシネン湖まで20〜30分歩くのだが、最近の運動不足で結構きつい。おまけに往路はほとんど下り坂だが復路は上り坂となり、帰りのことを考えるとブルーになってきた。
エッシネン湖到着。なんかカナダの湖を思わせる素晴らしい景色である。幾筋もの滝がエメラルド色の湖に流れ落ち、また岸辺の岸壁では子供たちが飛び込んでいる。ボートも何そうか浮かんでいる。ゆっくりしたい。しかし13:00にはチェアリフトを降りたところにあるレストランで昼食となっている。ここがツアーの融通のきかないところ。湖畔のレストランでゆっくり食事できたらどれだけいいか。
帰りはなんと観光馬車が11:50に湖畔を出てチェアリフト山頂 駅まで行くという。助かった。これであの山道を登らずに済む。
しかし、それでも時間が無くて結局水辺の際までは行けず、上で何枚か写真を撮っただけで馬車に乗り、エッシネン湖を後にした。馬車には私と母とAさんの奥さんが乗った。運賃は最初10フラン(1000円)と言っていたのが5フランに値下げとなった。
馬は1頭だけだが力持ちだ。急坂を馬車でぐんぐん登って行き、先に歩いて登って行った
浅田さんのご主人や、Kさん夫妻を追い越して20分くらいで頂上駅に着いた。
チェアリフトで降りるが往路とは逆の方向を向いているので景色が違うが、ボブスレーのようなものが山の上から中腹まで続いていて滑れるようになっている。
レストランでの昼食はおいしかったが、できたらエッシネン湖で食べたかった。
14:53発の普通列車でカンデルシュテーク発。シュピーツ駅で乗り換え15:22着。15:42発までの20分を利用して、駅の外に出、シュピーツ城の絶景を見下ろし普通列車に乗り込んで16:03インターラーケン・オスト駅着。16:20ここでベルナーオーバーランド鉄道(BOB)に乗り換えて16:40ラウターブルンネン駅着。ヴェンゲン・アルプ鉄道(WAB)に乗り換え、同� ��6:45発、16:59ヴェンゲン駅着。ラウターブルンネンからの車窓は圧巻だったがこの区間は明日も明後日も乗ることになる。
駅から徒歩5分のレジーナホテルに今日から3連泊である。
2007年8月12日(日) ウェンゲン→クライネシャイデック→ユングフラウヨッホ→クライネシャイデック→ウェンゲン
今日はユングフラウヨッホにいく日である。今日も朝から文句の無い快晴である。朝9:00にホテルを出発、駅はさすがにこれから山に行く人たちで混んでいる。
ラウターブルネンから登ってきたWABの登山列車に乗り込み、クライネシャイデックに向かう。
すかさず車掌が検札にやってくる。この検札、今まで乗ってきた列車でも必ずすぐやって
きて、徹底している。そして一度検札をすればその人の顔を覚えるのか、特に日本の車掌のように席番をメモするわけでもないのに、二度検札に来ることはないのである。
20分ほどの乗車でクライネシャイデックに到着。ここでユングフラウ鉄道(JB)に乗り換える。クライネシャイデックは、高原の典型といっていい場所で、ゆっくりしたいところであるが、ここはユングフラウヨッホから帰ってきたとき、他の人たちはハイキングしてヴェンゲンまで帰るのを別行動して念願をかなえることにしている。
JBのは次のアイガーグレッチャーを出ると終点のユングフラウヨッホまでひたすらトンネルで250パーミルという急勾配をよじのぼる。50分の乗車時間の4分の3はトンネルの中で、途中往路のみ2つの駅に停車し 、1つめのアイガーバント駅はアイガー北壁の断崖に窓が開けられていて、そこから眼下1500メートルに広がるグリンデルワルドの
街を見下ろすことができる。
仕事中心、リバーフォールズ、ウィスコンシン州
ユングフラウヨッホ駅は標高3454m。ヨーロッパで一番高所にある鉄道駅である。駅も地下にあるのでまずエレベーターに乗ってスフィンクス展望台といわれる展望台に上がる。
ワイヤーが少々邪魔だが目の前にユングフラウが、眼下にアレッチ氷河が広がる。
まさに氷の大河だ。反対側にはメンヒ、アイガーもよく見える。
展望台で20分くらい過ごしてその後エレベーターで下に降り、14年前もあった「氷の彫刻」を通って(相変わらずしょうもなかった)外に出た。雪が積もっているので滑りやすく注意しなければならないが、展望台よりも障害物が少なく、アレッチ氷河がより近くに見わたすことができる。最高の天気である。この場所には14年前には来ていない。
その後、またJBに乗ってクライネシャイデックまで降りる。簡単な昼食後、新田次郎の碑を見に行ってその後ハイキングでヴェンゲンの方まで帰る他のメンバーと別れて、ここクライネシャイデックでゆっくり思う存分、山はもちろん登山列車や牛たちを撮影して過
ごす。クライネシャイデックでゆっくりすることも念願だったのでかなった。さすがに
午後になると雲が増えてきて山はガスに覆われることも多くなってきた。草原で寝そべっていると牛が並んで家路についている様に移動している。私もそろそろひきあげることに
した。
2007年8月13日(月) ウェンゲン→ラウターブルンネン→ツヴァイリュッチネン→グリンデルワルド(ヨーロッパ最長のロープウェイ)メンリッヒェン(ロープウェイ)ヴェンゲン→ラウターブルンネン→ミューレン→ラウターブルンネン→ヴェンゲン
今日は添乗員の野坂さんの提案でグリンデルワルドまで行ってそこから野坂さんの言うところの所要時間1時間の欧州一長い距離を行くゴンドラに乗りヴェンゲンの後ろにそびえる山の上のメンリッヘェン展望台まで行って、そこからヴェンゲンへのロープウェイで帰ってくるというプランに乗ることにした。今日も上天気である。Kさん夫妻は街に行かれるとかで来ず、
まずはヴェンゲン駅からラウターブルンネン経由でグリンデルワルドへ行く。グリンデルワルド へは昨日行ったクライネシャイデック経由の方が近いが、スイスパスは使えないのだ。
ラウターブルンネンへのWABの車窓は相変わらず素晴らしい。高さ300メートルの「シュタウプバッハの滝」がずっと寄り添う。ラウターブルンネンでBOBに乗り換えて、グリンデルワルドへの路線と分岐するツヴァイリュッチネンで、インターラーケンからやってくるグリンデルワルド行きの電車に乗り換える。ここで注意せねばならないのはここでインターラーケンからやってくる列車はラウターブルンネン行きとグリンデルワルド行きに切りはなされるので、ちゃんとグリンデルワルド行きに乗らないとまたラウターブルンネンに戻ってくることになる。今回野坂さんは間違いかけた。危ない危ない。
グリンデルワルドに到着す� �と、すぐ隣のWABのクライネシャイデック行きに乗って次のグルンドで降りる。ここから欧州最長のゴンドラが出ているのだ。
ワクワクして乗り込んだ。しかし残念ながらガラスというか透明なアクリル板が汚れていて外の景色の写真が撮れないのであった。ぐんぐん高度が上がるに連れてどんどん絶景になってくるのにまったく。
頂上の展望台付近は高山特有のガスでヴェンゲン側は全く見えないが反対側のグリンデルワルド側はガスが無い。牛たちが多数カウベルを鳴らしながら草を食んだり寝そべったり
している。バックにはアイガーが見える。そっち方面の写真ばかり撮っていたらヴェンゲン側もガスが切れて絶景が見え出した。眼下にヴェンゲンの街があり、その向こうは絵に描いたようなU字谷になっていて、シュタウプバッハの滝もよく見える。谷を遡っていけばユングフラウである。あまりに素晴らしい景色に何枚も写真を撮る。
山上のレストランでおいしいソーセージとポテトの昼食後、ハイキングでクライネシャイデックに行くという添乗員と別れてAさん夫妻と我々は山をロープウェイで降りてヴェンゲンまで帰るがまだ時間が早いので、またまたラウターブルンネンまで降りて、今度はラウターブルンネンからミューレンというところに行く。
ラウターブルンネンから標高1481メートルのグリュッチュアル� �まではロープウェイ
であるが、実はこのロープウェイは元々ケーブルカーだったのだが、ほんの1年前くらいに老朽化のため付け替えられたのだ。ケーブルカーをロープウェイに付替えるというのは
聞いたことがない。このロープウェイはヴェンゲンからも良く見えていたので、何だろうと思っていた。ケーブルカーの線路敷跡がはっきり残っていてその上をロープウェイが行く。
グリュッチアルプからは1両編成の可愛い電車である。短い小さな貨車が連結されており、
側面にはB.L.Mと書いてある。車窓は断然左側(崖側)が良い。この線は平坦なのでラックレールのない普通の鉄道である。大きなU字谷を挟んで対岸にヴェンゲンの街が本当に崖っぷちにあるのが見える。そして進むにつれてユングフラウが谷を挟んですっくとそびえてくるとミューレンに到着する。17分くらいの短い線だった。
帰りは往路で目をつけていたWintereggという唯一の途中駅で下車してみるが、景色は
見えず期待はずれだったので、すぐ次の20分後の電車でグリュッチアルプに戻り、ロープウェイでラウターブルンネンに降りる。ロープウェイ内には犬が多数いたがみな行儀良く、他の犬が前にいても知らんふりをしておとなしくしている。
ラウターブルネンからはすぐWABの電車でヴェンゲンに戻ったが、今から考えるとあのシュタウプバッハの滝を見物に行けばよかったと思う。おそらくはもうここに来ることはないと思うから。
2007年8月14日(火) ウェンゲン→ラウターブルンネン→インターラーケン・オスト→ブリエンツ→ロートホルン→ブリエンツ→ルェルルン
今日はこのツアーの目玉である、ブリエンツ・ロートホルン鉄道に乗る日である。幸い天気は今日も良い。
トランクなど大荷物は例によってチッキで先に送り、7:53発のWABでラウターブルネンへ。何度と無く往復したこの区間もいよいよ乗り納めである。8:10ラウターブルネン着、8:20発のBOBで8:40インターラーケン・オスト駅着8:40着。ここからは国鉄ブリューニック線に乗り換え、8:51発ルツェルンまで向かうが途中のブリエンツ駅で下車9:13。途中ブリエンツ湖の眺めが堪能できた。この線はルツェルンから3本の別会社の車両を乗り継いでモントレーまでゴールデンパスラインとよばれる景勝線である。
さあ、念願のブリエンツロートホルン鉄道(BRB)だ。駅は観光客で大混雑だが我々の席は予約されているのですぐに9:33発の列車に乗ることができる。予約できるのは団体だけで、 定員60人の2両編成の席に空きが無いよう個人客が我々のいるBOXにも押し込まれる。私はドア横の左側の席を確保したが、目の前には結構美人の少女が座った。
いよいよ出発。幸い我々の乗った列車はSL列車で、軽快なブラスト音を鳴らしながらグイグイと客車を押し上げて行く。最急勾配は250パーミルあり、けっこうな急坂である。
どんどん高度を上げて行くとやがて木々の合間に教会の尖塔が見えて眼下にブリエンツ湖と街が一瞬見える。そしてまた森林の中を走るが、やがて森林限界を超え、広々した草原の中を走り出す。牛がいたるところで草を食み、のどかだ。その草原の斜面の中に曲線を描いてレールが延び、目指す山の稜線に目を凝らせば山頂駅とホテルが見える。あんなところまで登るのかと思う。しかし気がつけばもうその稜線を登っていて、頂上駅に到着した。
頂上での滞在時間はわずか40分!まずは10分後にほぼ無尽で降りて行く乗ってきたSL列車の撮影をする。そして、その列車がさっきあんな上を走るのかと見上げていたところを降りていくSL列車を上から撮影せねばならない。その場所を探していると、もう下にSL列車が現れ てしまった。あわてて、あまりベストとはいえない展望できる道の途中から撮影する。広角、望遠と画角を変えて何枚も撮影する。しかし、できた写真はどれもぱっとしなかった。
途中駅で我々が乗って降りる列車と交換しているのが見える。登ってくるのは残念ながらディーゼルであった。
それが上がってくるのも撮って瞬く間に40分は過ぎて降りる時間である。結局駅から30メートルほどしか動くことができず、上にあるホテルや展望台にも行けずじまいだった。
天気は最高なので、もっと山の上にいたい。あとはルツェルンにいくだけなのだから・・・
もし個人旅行なら絶対予定変更するところである。そこが全部で6人でも団体旅行の悲しさ、山を降りる。客は我々の他に小さい子供を連れたヨーロッパ人の家族連れがいるだけ。みんな山頂でゆっくりするのであろう。うらやましい。
ディーゼルは当然のごとくドラフト音はせず、SLに比べたら全然つまらない。でも車内がガラすきなので右に左に席を移して写真を撮る。
12:10ブリエンツ着。12:28ここから国鉄線に乗り換えて座席指定のパノラミック急行に乗る。この列車に乗るために、ブリエンツでゆっくりできなかったわけだ。
ゴールドベースのきれいな客車をつないだ列車が入線してきて乗り込む。車内ですぐおにぎり弁当が配られたが、なんでも1個3000円くらいするそうである。食堂車もあ� ��のでそこで昼食したかったがせっかくなので食後のコーヒーを飲む。さすがはゴールデンパスラインと称されているだけあって、この線の景色も素晴らしかった。
14:04ルツェルン着。ホテルにチェックインしてもまだ速いので、添乗員らと旧市街ツアーに出かける。ホテルからはカレル橋がすぐである。
まずそこを渡り、旧市街とルツェルンのカレル橋と並ぶシンボルである「瀕死のライオン」の像を見に行ってホテルに帰った。
2007年8月15日(水)ルツェルン→ピラトス→ルツェルン
今日はルツェルンからピラトス山頂上を往復して帰ってから、念願のルツェルン交通博物館に行く。今日も晴れ。本当に申し分ない天気がずっと続いている。
ホテル前よりトロリーバスで出発。ロープウェイ乗り場へ。そ� �からロープウェイでピラトス山頂へ。前回きたときは頂上はガスがかかっていたが、今日はまったくクリアである。
頂上では約1時間半の自由時間があったので遊歩道をうろうろする。眼下にルツェルん湖やルツェルnの街がよく見える。
母は展望台で眺めたあとはベンチで休んでいる。さすがに旅行も最後になって疲れてきた。
下山はピラトス登山鉄道を使う。これは世界で一番勾配がきつい鉄道で480パーミルあり普通のアプト式だと車両が浮き上がってしまうので、左右両側より挟み込むロッハー式というラックレールが使われている。車両は平行四辺形で、一見ケーブルカーであるが、ケーブルカーでは絶対できない芸当である、続行運転ができる。今回も5両の続行運転で山を降りるが、先頭の一番前に座れたので運転士がペットボトルの水を飲みながら適当に運転している様子や独特の行き違いのポイントの仕組み等よくわかって面白かった。
ふもとのアルプナハシュタットの駅はものすごい人である。我々はここから外輪船に乗ってルツェルンに戻� �。天気は最高で船は気持ちよかった。
ルツェルンに到着すると、そのままホテルに戻る添乗員と別れて、わたしと母は交通博物館に行く予定だったがAさんもついてくることになった。
まず、船着場から博物館のほうに向かう途中で、スタイルの良いビキニのお姉ちゃんが横を風のように追い抜いて行った。幸先が良い。しかし、良かったのはここまでであった。
まずは昼食を、ということで、博物館の食堂だがここがひどかった。そして期待していた博物館だが、これがなんかいまいちで、天気も良かったのだから博物館に固執せず、ルツェルンを添乗員にもっと案内してもらったらよかったと思う。
博物館を出るころには空はいつのまにか雲が覆っていた。もう足はガクガクで速くホテルに帰って休みたい。
� ��さん夫婦は、目一杯博物館を満喫して、そのあとルツェルン観光もしたそうだ。元気である。
明日は帰るだけの日。しかし今回のスイス旅行は天気に恵まれて最高の旅行だった。
念願の鉄道によるツアー大成功であった。
2007年8月16日(水)ルツェルン→チューリッヒ→ヘルシンキ→大阪
今日はなんと朝から雨が降っている。ついた日と帰る日だけ雨であとは快晴とは出来すぎでちょっと怖いくらいである。
荷物があるのでチューリッヒ・クローテン空港までは鉄道ではなくバスで移動で少し残念。
あとは往路と逆の行程で帰っただけなので、特に書くべき事もない。
ただ、帰りのヘルシンキ→関空はエコノミークラスだったが、添乗員の尽力で、MD−11には2つしかない最後列の「2列席」を確保できたので幾分ましだった。MD−11は
胴体はジャンボよりずっと狭いのに、エコノミーは3−4−3の10列となっているから
だ。個人モニターも無く、映画は見えず、機内食もひどかった。
でも最高の旅行だった。会社を辞めて実行したカイがあった。
<完>
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